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2024年4月18日

7割近くが賃上げ率「5%未満」 厳しい中小企業、帝国データ

 帝国データバンクが18日発表した「2024年度賃上げ実績と初任給」の緊急調査によると、8割近い企業が賃上げを実施したものの、7割近くは賃上げ率が5%未満のうえ、企業規模による格差拡大の懸念が高まっていることがわかった。連合が同日公表した第4回集計の賃上げ率は平均5.20%で、目標の「5%以上」を超えているが、中小企業にとって5%はかなりハードルの高いことが改めてわかる結果となった。

賃上げを実施した企業は77.0%に上ったが、賃上げ率が5%以上だったのは26.5%に過ぎず、5%未満(賃下げ、据え置きを含む)が67.7%を占めた。最多は「3%台」が22.0%だった。3社に2社が5%未満だったことになる。

 賃上げを実施した企業を規模別にみると、大企業の77.7%、中小企業の77.0%に対して、中小のうちの小規模企業は65.2%に下がっている。据え置いた企業からは「仕入れや光熱水費などの固定費が上がっており、賃上げどころではない」「売り上げが増えない中での賃上げは中小企業には厳しい」などの声が出ている。

 一方、新卒採用については45.3%が採用したが、大企業の76.2%に対して中小は40.9%、小規模は23.7%にとどまった。また、初任給は「20万円以上」が64.8%を占めたが、「20万円未満」も35.2%あった。

 調査は5~15日に実施、1050社の有効回答を集計した。企業規模はメーカーの場合、資本金3億円超かつ従業員300人超を大企業、同3億円以下か300人以下を中小企業、従業員20人以下を小規模企業に区分した。

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