エン・ジャパンが１７日発表した３月の派遣平均時給（三大都市圏、募集時）は１６９６円（前月比０．８％増、前年同月比２．７％増）となり、前月比プラスに転じ、前年同月比は１９カ月連続のプラスとなって過去最高を更新した。ただ、同社によると、職種ごとの上昇幅に差が生じているという。
職種別（大分類）では、２月と同様に技術系の２０７３円（前年同月比７．１％増）の伸びが高く、オフィスワーク系が１６２９円（同２．６％増）、ＩＴ・エンジニア系が２５８７円（同２．４％増）と堅調だが、医療・福祉・介護・教育系は１４４２円（同０．１％増）の低い伸びで、クリエイティブ系は１９７０円（同２．４％減）のマイナスとなった。
人手不足が深刻にもかかわらず、医療・介護系の伸びが低い点について、同社は「介護報酬の制限や物価高によって利益化がむずかしく、政府による積極的な賃上げの後押しが求められる」としている。
地域別では、関東が１７８６円（同２．８％増）、東海が１４７９円（同２．６％増）、関西が１４９０円（同０．５％増）となり、関西は２月のマイナスからプラスに転じた。
３大都市圏以外では北海道が１３４１円（同０．０％）、東北が１２８８円（同５．３％増）、北信越が１２９４円（同６．０％増）、中国・四国が１３０２円（同４．３％増）、九州・沖縄が１３０８円（同４．６％増）となり、北海道以外はプラスだった。
一方、ディップが同日発表した３大都市圏の３月平均時給は１６０５円（前月比１．９％増、前年同月比３．０％増）と伸びた。全６職種、３地域とも前年を上回った。「はたらこねっと」の求人件数は約２１．９万件で前月比７．８％増、前年同月比１３．７％増と大幅な伸びが続いている。
リクルートが１２日発表した３大都市圏の３月派遣平均時給（募集時）は１６３５円（前月比０．４％増、前年同月比０．４％増）だった。前年を上回っているものの、比率は２カ月連続で低下している。「リクナビ派遣」の掲載求人件数は約１１６万件。
