「技能実習」に代わる「育成就労」創設や永住許可の適正化を柱とする出入国管理・難民認定法と技能実習適正化法の改正案が、16日の衆院本会議で審議入りした。実態として労働力確保に利用され、国際社会から人道的な批判もあった技能実習制度を廃止し、外国人材の「確保と育成」を目的とする実態に即した制度に転換する。今国会の重要広範議案のひとつで、審議の節目に岸田首相が政府見解を説明する。法案が成立すれば公布後3年以内の施行となり、新制度は2027年の運用開始が見込まれる。
法案によると、新設する在留資格「育成就労」の対象分野(職種)は、19年に創設した「特定技能」に合わせて移行しやすい流れをつくり、中長期的な就労につなげたい考え。焦点となっている「転籍(転職)」を制限する期間は、当面の間、分野ごとに就労開始から「1〜2年の範囲」とする。技能実習制度で外国人の受け入れと企業の仲介を担ってきた監理団体は、「監理支援機関」に名称変更して外部監査を強化。併せて、問題のある外国人や悪質な受け入れ先を排除するため、故意に納税や社会保険料の納付を怠った外国人の永住許可を取り消すことができるほか、違法に雇う雇用主の「不法就労助長罪」を厳罰化する方針だ。
衆院本会議では、小泉龍司法相が改正法案の趣旨を説明した後、笹川博義(自民)、鈴木庸介(立憲)、池下卓(維新)、平林晃(公明)、本村伸子(共産)の与野党5議員が代表質問に立った。このなかで、「転籍について民間職業紹介事業者を関与させないとした狙いは」との質問に、小泉法相は「制度の目的が阻害されるような人材の過度な引き抜きが生じないよう、当分の間、民間事業者の関与は認めない」と答弁。また、永住許可制度の適正化の目的について岸田首相は...
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