厚生労働省が8日発表した毎月勤労統計の2月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は28万2265円(前年同月比1.8%増)で26カ月連続のプラスとなった。しかし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100)は82.1(同1.3%減)で23カ月連続のマイナスが続いている。景気後退にリーマン・ショックが加わった2007年9月~09年7月の過去最長に並んだ。
大幅な物価上昇によって実質賃金は23年1月の同4.1%減を最大に、その後は2~3%前後で推移。春闘の賃上げ効果の出た5月は一時的に0.9%に縮小したが、6月以降は再び拡大し、9月には2.9%と拡大幅を広げていた。10月以降は物価上昇の落ち着きによってマイナス幅は縮小し、1月から1%台になったが、まだプラス転換には至っていない。
基本給など所定内給与は25万8319円(同2.2%増)で、残業代などの所定外給与は1万9160円(同1.0%減)だった。雇用形態別の総額は、正社員が中心の一般労働者は36万616円(同2.0%増)、パートタイム労働者は10万5268円(同3.1%増)となった。
産業別で伸びが大きかったのは「情報通信業」の40万6754円(同3.9%増)「学術研究」の40万5292円(同3.8%増)程度で、多くは2~3%の伸び。「鉱業・採石業等」の31万3458円(同8.9%減)など、16産業のうち3産業でマイナスとなった。
月間総実労働時間は135.1時間(同0.1%減)。月末の常用労働者数は5023.6万人(同1.3%増)で、パートタイム比率は30.69%(同0.33ポイント増)だった。