2024年春闘は集中回答日の13日、大手企業の回答が相次いだ。自動車、鉄鋼、電機などのメーカーは昨年以上の満額回答となり、連合の目標である「5%以上」を実現できそうな情勢だ。物価高や人手不足を背景に、経営側も2年連続の大幅賃上げで応じた形。今後、この勢いが中小企業にまで広がるかどうかが、今春闘の最大の焦点になる。
トヨタ自動車労組は職種や職位に応じて7940~2万8440円を、日産労組は1万8000円を要求し、ともに一時金を含めて満額回答。日産の賃上げ率は5.0%になる。日本製鉄は3万円の要求を上回る3万5000円(同14.2%)を回答、神戸製鋼所も3万円(12.8%)の満額回答だった。
電機業界では電機連合が大手12社で1万3000円のベースアップを要求し、日立製作所や三菱電機、富士通、NEC、パナソニックなどで軒並み満額回答。パナソニックの場合、ベアは11年連続、満額回答は2年連続となる。
今年になって日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新し、企業業績も好調を維持しており、日本経済は回復に向かっている。しかし、物価上昇に賃金が追いつかず、実質賃金は22カ月連続のマイナス続きという異常事態になっていることから、今年は労使ともに昨年以上の賃上げの必要性を認識していた。