労働政策研究・研修機構(JILPT)は11日、「2023年版労働力需給の推計(速報)」を発表した。それによると、日本の労働力人口は22年の6902万人から、1人あたりゼロ成長・現状の労働参加の場合、30年に6556万人、40年に6002万人に減少する。しかし、成長実現・労働参加進展の場合は各6940万人、6791万人となり、現状より減少幅が縮小すると見込んでいる。
労働力人口は減少するが、労働力率(労働力人口を15歳以上人口で割った数字)でみると22年の62.5%から、現状維持の場合は各60.9%、59.2%に低下するものの、成長実現・労働参加進展の場合は各64.4%、67.0%と22年より上昇すると見込んでいる。
就業者数についても22年の6724万人から、現状維持で各6430万人、5768万人だが、成長・労働参加進展の場合は各6858万人、6734万人と22年とほぼ同水準になる。産業別では医療・福祉、情報通信業などで就業者増加が見込まれる。
成長実現・労働参加進展は政府などが経済・雇用政策を講じて成長分野の市場拡大が進み、女性や高齢者らの労働市場参加が進んだ場合を想定した。