厚生労働省が1日に発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1.27倍だった。3カ月連続で横ばいが続いている。
企業側の有効求人数約247万人(前年同月比3.7%減)に対して、有効求職者数は約183万人(同3.0%増)。都道府県別(就業地別)の倍率は福井県の1.91倍が最高で、最低は大阪府の1.06倍。
新規求人倍率は前月比0.03ポイント上昇の2.28倍だった。新規求人数(原数値)は前年同月比3.0%減。産業別で増えたのは生活関連サービス・娯楽業の同5.7%増、情報通信業の同4.5%増、学術研究・専門・技術サービス業の同4.1%増など。一方、製造業は同11.6%減、宿泊・飲食サービス業も同8.8%減、卸売・小売業も同5.8%減など、その他を含む全11産業のうち7産業で減少した。原材料価格の上昇や従業員の賃上げなどで求人を控える企業が増えたため、とみられる。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1.00倍だった。
1月完全失業率は0.1ポイント低下の2.4%、コロナ前水準に戻る
総務省が1日発表した1月の就業者数は6714万人で、前年同月比25万人増と18カ月連続の増加。完全失業者は163万人の同1万人減で、2カ月連続の減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の2.4%となった。コロナ禍直前の2020年1、2月当時と同じ水準で、再び完全雇用に近付きつつある。男女別では男性が前月比0.3ポイント減の2.5%、女性が同0.2ポイント増の2.3%となり、男性が大きく低下した。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5749万人のうち、正規従業員は3603万人で前年同月比31万人の増加、非正規従業員も2146万人で同13人の増加と、いずれも大きく増えた。非正規比率は37.3%。
非正規の内訳はパートが1040万人(同9万人減)、アルバイトが460万人(同14万人増)、契約が297万人(同10万人増)、派遣が150万人(同5万人増)、嘱託が108万人(同9万人減)となり、アルバイトと契約が大きく増えた一方、パートと嘱託は減った。