ニュース記事一覧へ

2024年2月14日

介護正職員の6割が年収350万円未満 7割が低給与に不満、マイナビ

 マイナビが14日発表した「介護職白書2023年度版」によると、介護職員の7割が「現在の給与に不満」を感じており、正職員の6割が年収350万円未満だったことがわかった。介護離職が社会問題となる中、待遇の低さが浮き彫りになった。

 現在の給与について聞いたところ、「全く満足していない」が21.9%、「満足していない」が20.7%、「どちらかと言えば満足していない」が25.8%となり、合計すると不満派が68.4%に上った。国税庁によると民間給与の平均は508万円だが、介護職で500万円を上回るのはわずか5.1%に過ぎず、正職員の年収でも59.0%が350万円未満という低さだった。

 しかし、「介護職として長く働きたい」と思う人も35.8%あり、そのために必要な処遇として「給与など待遇面の充実」を挙げる人が83.4%に達した。次いで「良好な人間関係」(72.8%)、「十分な職員数」(71.9%)と続き、「休暇の取りやすさ」「昇進・キャリアアップの機会」なども挙がっている。(複数回答)

 しかし、直近の1~2年間に処遇改善の対応があったのは52.2%にとどまり、介護報酬の引き上げがあったにもかかわらず、実感が伴っていないことがうかがわれた。同社は「介護職の給与は介護報酬から支払われることから、急激な引き上げはむずかしいかもしれないが、今後も定期的な処遇改善が望まれる」とコメントしている。

 調査は昨年11~12月に実施、「マイナビ介護職」登録者836人の有効回答を集計した。

【関連記事】
施設経営赤字、低賃金で人材流出
「介護危機」表面化、報酬アップへ(2023年12月18日)

PAGETOP