厚生労働省が30日発表した昨年12月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント低下の1.27倍だった。
企業側の有効求人数約245万人(前年同月比3.1%減)に対して、有効求職者数は約180万人(同2.9%増)。都道府県別(就業地別)の倍率は福井県の1.94倍が最高で、最低は大阪府の1.06倍。
新規求人倍率は前月と同じ2.26倍だった。新規求人数(原数値)は前年同月比3.3%減。産業別で増えたのは学術研究・専門・技術サービスの同2.4%増、医療・福祉の同1.3%増で、製造業は同10.5%減、生活関連サービス・娯楽業も同8.4%減など、11月と同様にその他を含む全11産業のうち、9産業で減少した。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント低下の1.00倍だった。
この結果、23年の平均有効求人倍率は1.31倍(前年比0.03ポイント増)、有効求人数は同0.9%増、有効求職者数は同1.4%減となった。求人倍率は2年連続の上昇で、近年では16年の1.36倍に次ぐ水準となった。
昨年の有効求人倍率は1月の1.35倍から横ばいを交えて緩やかな低下傾向をたどっており、7月から3カ月連続で1.29倍が続いていた。10月に1.30倍に盛り返したが、11、12月は再び低下した。政府の新型コロナ支援が打ち切られたことの反動や物価高などで、求職者は増えた一方、企業の求人は減ったためとみられる。
12月完全失業率は0.1ポイント低下の2.4%、年間は2.6%
総務省が30日発表した昨年12月の就業者数は6754万人で、前年同月比38万人増と17カ月連続の増加。完全失業者は156万人の同2万人減で、2カ月ぶりの減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の2.4%となり、1月と並んで23年の最低を記録した。男女別では男性が前月比0.1ポイント増の2.8%、女性が同0.4ポイント減の2.0%となり、女性が大きく低下している。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5775万人のうち、正規従業員は3592万人で前年同月比21万人の増加、非正規従業員も2183万人で同39人の増加と、いずれも11月と同様に大きく増えた。非正規比率は37.8%に上がった。
非正規の内訳はパートが1050万人(同6万人増)、アルバイトが491万人(同23万人増)、契約が282万人(同3万人減)、派遣が164万人(同11万人増)、嘱託が104万人(同7万人減)となり、アルバイトと派遣が大きく増えた。年末年始の商戦に対応した結果とみられる。
この結果、23年の平均完全失業率は前年と同じ2.6%となった。コロナ前の18、19年の2.4%に次ぐ低水準。完全失業者は178万人(同1万人減)で2年連続の減少、就業者数は6747万人(同24万人増)で3年連続の増加となった。"コロナ明け"で宿泊・飲食サービス業を筆頭に求人が大きく増えたことなどが要因で、ほぼ完全雇用に近付きつつある。