厚生労働省が24日発表した2023年賃金構造基本統計調査(速報)によると、フルタイム労働者の平均月給は31万8300円(前年比2.1%増)の過去最高となった。上昇幅は1994年の2.6%以来、30年ぶりの高水準。近年は0~1%台で推移し、21年はマイナスになるなどの低水準が続いていた。昨年は企業活動が本格化し、春闘などで「大幅賃上げ」を掲げたことなどが上昇要因となったが、物価上昇によって実質賃金はマイナスになっている。
学歴別では大卒が36万9600円(同1.9%増)、高卒が28万1800円(同2.9%増)。年齢別の伸び率では55~59歳の1.7%増に対して、25~29歳が2.8%増となるなど、若年層の伸びが目立った。
調査は23年7月、5人以上の常用労働者のいる事業所など7万8623事業所を対象に実施した。数値は今後の2次集計によって異なる可能性がある。