厚生労働省は19日、小規模事業所(常用労働者1~4人規模)を対象にした2023年毎月勤労統計特別調査結果を発表した。各月の同調査は同労働者5人以上が対象。
それによると、昨年7月の「決まって支給する現金給与額」は20万3956円(前年同月比0.4%増)の過去最高となった。うち、男性は27万6094円(同2.2%増)、女性は15万2474円(同0.3%減)と女性は減少した。
産業別では建設業が27万4365円(同2.0%増)で最も高く、製造業が21万6905円(同0.1%増)で続いた。小規模事業所が多く、賃金の低い医療・福祉は19万1133円(同1.4%減)に減った。
賞与など「年間に特別に支払われた給与額」(22年8月~23年7月)は26万1317円(同1.2%増)で、男性が38万2653円(同2.8%増)、女性が17万2351円(同0.4%増)と女性より男性が伸びた。
「決まって支給する給与額」は昨年7月、5人以上の事業所が27万1540円だったことから、零細事業所は25%ほど低い。両者のこの差は例年、ほとんど変化がなく、春闘などの賃上げ効果が零細企業にまで及んでいないことが推測される結果となった。
調査は昨年7月の状況について、2万3742事業所を対象に実施、2万46事業所から有効回答を得た(回答率84.4%)。