東京商工リサーチが15日発表した2023年の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は8690件(前年比35.2%増)、負債総額2兆4026億4500万円(同3.1%増)で、件数は15年の8812件以来8年ぶりの高水準となった。
新型コロナ対策の「ゼロゼロ融資」などの返済が本格化し、物価高や人手不足が追い打ちを掛けた形だ。コロナ関連倒産件数は3127件(同36.3%増)に急増。 このうち、「ゼロゼロ融資」利用後の倒産は631件、「物価高」倒産は645件、「人件費高騰」倒産は59件、「求人難」倒産は58件などとなっている。
産業別件数では「サービス業他」が2940件(同41.7%増)で最も多く、「建設業」が1693件(同41.8%増)、「製造業」が977件(同35.3%増)、「小売業」が939件(同30.8%増)と軒並み増えた。1992年以来、31年ぶりに全10産業で前年を上回った。
大型倒産は「パナソニック液晶ディスプレイ」の5836億円、「ユニゾホールディングス」の1262億円、「ガイア」の944億円、「FCNT」の872億円など。
同社は「今年4月に民間金融機関からの融資返済がピークを迎え、資金繰りは一段と厳しくなる。倒産件数が年間1万件を超える可能性も出ている」と予想している。
一方、負債額1000万円未満の中小・零細企業の倒産も495件(同20.7%増)と大きく増え、3年ぶりに前年を上回った。コロナ支援の終了・縮小とともに、過剰債務に陥って経営の行き詰った企業が増えたためとみられる。産業別では「サービス業他」が半数近い229件を占めた。