東京商工リサーチが20日発表した今年の訪問介護事業者の倒産は15日までに60件に達し、これまでの最多だった19年の58件を抜いて最多を更新した。訪問介護は小規模・零細事業者が多く、ヘルパー不足や物価高などの直撃を受けたためとみられる。
60件のうち57件が資本金1000万円未満、50件が従業員10人未満。"コロナ明け"で産業間の競争が高まり、賃金の高い他業界に人材が流れたため、人手不足倒産も最多の10件にのぼった。
政府は来年2月から介護職員に対して月額6000円の賃上げを実施し、24年度の介護報酬も1.59%アップを決めているが、ヘルパー不足の解消には追い付かないとの見方が強い。