帝国データバンクが14日発表した「電子帳簿保存法(電帳法)に対する企業の対応状況」アンケートによると、来年1月から義務化されるにもかかわらず、対応完了済みの企業はわずか28.5%に過ぎず、企業規模が小さいほど遅れの目立つことが分かった。
対応が済んでいない企業のうち、「一部対応できている」が39.5%、「今は未対応だが、対応予定はある」が23.9%となっており、「対応予定はない」はさすがに3.0%だった。ただ、対応済みは大企業の38.8%に比べ、中小企業は26.8%、中小のうち小規模企業は21.2%に下がっている。
電帳法への対応に伴う懸念事項・課題については95.6%が「あり」と答えており、具体的には「業務負担の増加」の69.8%、「社内での理解・連携不足」が43.4%、「業務の適切管理、遂行に不安」が39.2%など(複数回答)。
この結果について同社は「定着までに一定の時間を要するため、中小企業を中心にシステムなどの導入コストや運用面でのサポートといった、負担軽減につながる施策が求められる」と指摘している。
電帳法では、原則として電子取引を行っているすべての企業や個人事業主に対し、メールやクラウドといった電子的な方法で受領した請求書や領収書などについて、電子データによる保存が義務付けられる。また、これまで紙の保存が原則であった、クレジットカードなどキャッシュレスで支払った場合や電気料金の請求などについても、電子データでの保存が認められるようになるなど利便性が向上する。
調査は8~12日に実施、1023社の有効回答を集計した。企業規模は中小企業基本法に基づき、製造業等の場合は「資本金3億円超」かつ「従業員300人超」を大企業、「同3億円以下」または「同300人以下」を中小企業、「従業員20人以下」を小規模企業に分類している。