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2023年11月22日

「基本方針」の見直し審議が終了 年明け告示へ、難病・小慢合同委

 厚生労働省の難病対策委員会と小児慢性特定疾病(小慢)対策委員会の合同委員会(花島律子委員長)が22日開かれ、難病法と小慢法に関わる基本方針の見直しについて、前回(7月10日)の議論を盛り込んだ事務局案を再議論、基本的に了承した。厚労省は年明けに「大臣告示」を出す予定で、両法で規定している「5年後の見直し」作業はこれで終了した。

 基本方針は、難病法では医療提供体制や調査・研究事項など9項目、小慢法は自立支援や成人移行など7項目を規定。難病の改正案では、難病患者の就労支援を促進するため、「基本的な方向」に「事業主」「就労支援を提供する者」を加えた。また、治療促進に向けて「調査・研究」の中に製薬企業など「民間事業者」へのデータ提供も盛り込んだ。

 小慢の改正案にはトランジション問題を前進させるため「成人後も必要な医療を切れ目なく受けられるよう、都道府県の移行期支援体制のガイドを周知する」と強調。「自立支援事業」に「都道府県は実情の把握に努める」という努力規定を加えた。

 出席委員からは「難病患者の就労支援には企業の理解がカギになり、総合的な支援となるように他局と連携して推進してほしい」「難病と小慢は法律の枠組みが違うため、成人移行の問題になると議論が前進しない」といった指摘も相次ぎ、今後の課題が難病・小慢制度の枠を超えて広がっていることを改めて見せつけた。


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