日本生産性本部が9日発表した第11回「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業調査によると、「心の病」の最も多い年齢層は「10~20代」が43.9%(前年比14.9ポイント増)に急増し、これまで最多だった「30代」の26.8%(同13.1ポイント減)を大きく上回った。
2010年代は30代と40代が30%台で推移しており、同本部は「仕事の責任は重くなるが管理職にはなれない"責任と権限のアンバランス」が原因とみていた。今回の結果については「調査結果だけでは判断できない」としながら、「コロナ禍で入社した若者層がテレワークなどで対人関係や仕事のスキルを十分積み上げられなかったところ、5類移行に伴う出社回帰の変化がストレスになったと考えられる」と分析している。
若者層に限らず、心の病が「増加傾向」にある企業は過去最多の45.0%(同22.1ポイント増)に上り、「横ばい」の45.0%(同14.7ポイント減)と並んだのも大きな特徴。昨年の「増加傾向」は過去最低だった。これについて同本部は「一過性のものか、新たなトレンドとして続くのか、注視したい」としている。
調査は7月7日~9月4日に実施、新興企業を除く上場169社の回答を集計した。