厚生労働省は20日、2020年3月に卒業して就職した学生の3年以内の離職状況を発表した。それによると、大卒の離職率は32.3%(前年比0.8ポイント増)、高卒は37.0%(同1.1ポイント増)、中卒は52.9%(同4.9ポイント減)となった。大卒は2年連続の増加、高卒は3年ぶりの増加となった。いずれも、コロナ禍後の景気回復を反映して上昇したとみられ、来年以降もさらに上昇する可能性が高い。
大卒の場合、1年目の離職率は10.6%、2年目は11.3%、3年目は10.4%で、2年目の比率が前年より1.6ポイント上昇。高卒の場合は同様に15.1%、11.7%、10.2%で、2、3年目が前年を上回った。
企業規模が小さくなるほど離職率が高くなる傾向は例年と同じ。大卒の場合、従業員1000人以上の大企業が26.1%(同0.8ポイント増)だったのに対して、同5~29人の中小企業では49.6%(同0.8ポイント増)の半数近くにのぼり、同5人未満の零細企業になると54.1%(同1.8ポイント減)となっている。
業種も例年と同様に、宿泊・飲食サービス業が51.4%(同1.7ポイント増)で最も高く、生活関連サービス・娯楽業が48.0%(同0.6ポイント増)、教育・学習支援業が46.0%(同0.5ポイント増)など。一方、電気・ガス業は10.5%(同0.1ポイント減)、製造業は19.0%(同0.5ポイント増)と10%台にとどまった。