連合(芳野友子会長)は19日、中央執行委員会を開き、2024年春闘に向けた統一要求について、定期昇給分を含めた賃上げ目標を「5%以上」とする方針を確認した。今春闘での「5%程度」から「以上」へと一段アップ。賃金の上昇が物価上昇に追いつかずに高止まりし、実質賃金のマイナスが1年半以上も続いていることなどを踏まえた。同日、連合会館で開いた記者会見=写真=で芳野会長は、30年ぶりの高水準となった今春闘を転換点と位置付けたうえで「今年を上回る賃上げを目指す。とりわけ中小、非正規のところが重要だ」と強調した。
基本構想では(1)経済も賃金も物価も安定的に上昇する経済社会へとステージ転換をはかる正念場であり、最大のカギは社会全体で問題意識を共有して持続的な賃上げを実現する(2)経済社会のステージ転換を着実に進めるべく、すべての働く人の生活を持続的に向上させるマクロの観点と各産業の「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組み強化を促す観点から前年を上回る賃上げをめざす(3)賃上げ分3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上の賃上げを目安とする(4)中小組合で賃金実態が把握できないなどの事情がある場合は、格差是正分を含め1万5000円以上を目安とする――などの重点項目を挙げた。
今年の春闘では、数値目標を8年ぶりに引き上げて「5%程度」とし一定の成果を上げたが、「大幅賃上げ」は社会全体に波及せず、円安による物価上昇が"高止まり"したままだ。