帝国データバンクが17日発表した「食品スーパー業界(GMSを含む)」動向調査によると、2022年度は3割の食品スーパーが電気代の高騰などで赤字となり、人口減少の続く地方のスーパーで赤字比率の高いことがわかった。全国の食品スーパーなど約1100社について集計した。
22年度は31%にあたる349社が赤字で、前年の減益スーパーと合わせると約7割が業績悪化に見舞われ、12年度以降の最高となった。都道府県別(本社所在地)で最も赤字の多かったのは「鳥取県」の71%で、「徳島県」の60%、「滋賀・岐阜県」の50%が続いた。
商品への価格転嫁率では「0%未満」が3.2%、「20%未満」が22.6%、「50%未満」が19.4%あり、合わせると45.2%が5割未満の転嫁率に過ぎず、その一方で電気・ガス代などの光熱水費やパート・アルバイトの人件費増などが収益を押し下げる要因となっているという。しかし、一部には扉付き冷凍・冷蔵庫の導入を通じた光熱費の圧縮、セミセルフレジ導入などの省力化を通じて粗利を確保しているスーパーもあった。
昨年から輸入物価の値上がりなどで食品の値上げが断続的に続き、消費者にとっては「物価高」の状況が続いているものの、供給側のスーパーにとってもかなり苦しい局面となっているようだ。