厚生労働省が29日発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1.29倍だった。倍率は5月から3カ月連続で低下していたが、8月に下げ止まった形だ。
企業側の有効求人数約245万人(前年同月比1.1%減)に対して、有効求職者数は約191万人(同0.4%減)でどちらも前年を下回った。都道府県別(就業地別)の倍率は福井県の1.91倍が最高で、最低は北海道と大阪府の1.11倍。
新規求人倍率は前月比0.06ポイント上昇の2.33倍だった。新規求人数(原数値)は前年同月比1.0%増となり、産業別では宿泊・飲食サービス業の同9.8%増、教育・学習支援業の同8.4%増などが伸びた一方で、製造業は同7.5%減、建設業も同3.8%減など。その他を含む全11産業のうち、7産業で増加、4産業で減少した。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1.02倍だった。
8月完全失業率は横ばいの2.7%
総務省が29日発表した8月の就業者数は6773万人で、前年同月比22万人増と13カ月連続の増加。完全失業者は186万人の同9万人増で、2カ月連続の増加となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月と同じ2.7%となった。男女別では男性が前月比0.2ポイント上昇の2.9%、女性が同0.2ポイント低下の2.4%で、男性の悪化が大きかった。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5751万人のうち、正規従業員は3637万人で前年同月比48万人の増加、非正規従業員は2114万人で同7万人の減少となり、非正規比率は36.8%に下がった。
非正規の内訳はパートが1037万人(同4万人増)、アルバイトが469万人(同1万人増)、契約が268万人(同16万人減)、派遣が150万人(同1万人増)、嘱託が106万人(同1万人減)となり、契約の減少が目立った。
一方、8月の休業者は212万人で前月比15万人増、前年同月比56人減となり、6月から3カ月連続で数が増えている。