厚生労働省が22日発表した8月の労働経済動向調査によると、労働者の過不足状況判断DI(「不足」の割合から「過剰」の割合を引いた数値)は、正社員が45ポイント(5月前回比1ポイント増)で、2月に過去最高を記録した46ポイントに次ぐ水準となった。
産業別では、医療・福祉が61ポイント(前回比7ポイント増)、建設業が58ポイント(同3ポイント増)、運輸・郵便が56ポイント(同2ポイント減)と不足が目立つ。全12産業のうち、7産業で前回を上回るなど、人手不足が深刻化している。
パートタイムも30ポイント(同2ポイント増)と2月の31ポイントに次ぐ水準。宿泊・飲食サービスが53ポイント(同3ポイント減)と前回ほどではないが、最も高い。生活関連サービス・娯楽、その他サービス業が43ポイントで続いた。
人手不足への対応策について、過去1年間に対処した事業所の割合は66%、今後1年間に対処予定の事業所は65%に上った。対処方法(複数回答)はいずれも「正社員等の採用、正社員以外からの正社員登用」が最多の56~57%。次いで過去1年間は「在職者の労働条件(賃金)の改善」が46%、今後1年間は「臨時、パートの増加」が44%だった。
調査は四半期ごとに実施。今回は8月1日時点について1~7日、30人以上の常用労働者のいる5780事業所を対象にし、2820事業所から有効回答を得た(回答率48.8%)。