厚生労働省が29日発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント低下の1.29倍となり、3カ月連続で低下した。求人倍率は22年12月の1.36倍をピークに、今年になって緩やかな低下傾向をたどっている。厚労省によると、7月は一部業種で新規求人が減ったことと、新規求職者の伸びが求人数の伸びを上回ったことなどが要因。
企業側の有効求人数約243万人(前年同月比0.4%減)に対して、有効求職者数は約192万人(同0.9%減)。都道府県別(就業地別)の倍率は福井県の1.90倍が最高で、最低は北海道と大阪府の1.10倍。
新規求人倍率は前月比0.05ポイント低下の2.27倍だった。新規求人数(原数値)は前年同月比2.5%減となり、産業別では情報通信業の同5.2%増などの一方で、製造業の同11.4%減、建設業の同8.0%減、生活関連サービス・娯楽業の同3.4%減など、6月と同様にその他を含む全11産業のうち、8産業で減少した。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント減の1.02倍だった。
7月完全失業率は0.2ポイント上昇の2.7%
総務省が29日発表した7月の就業者数は6772万人で、前年同月比17万人増と12カ月連続の増加。完全失業者は183万人の同7万人増で、3カ月ぶりの増加となった。物価高や企業の賃上げを背景に、転職などの職探しを始めた人が増えたためとみられる。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.2ポイント上昇の2.7%となった。今年は2.6%前後の水準で推移しており、6月は昨年12月と同水準の2.5%まで低下したが、7月は"一服"した形だ。男女別では男性が前月比0.1ポイント減の2.7%、女性が同0.5ポイント増の2.6%で、女性の悪化が大きかった。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5751万人のうち、正規従業員は3608万人で前年同月比1万人の減少、非正規従業員は2143万人で同38万人の増加で、非正規比率は37.3%に上がった。
非正規の内訳はパートが1042万人(同18万人増)、アルバイトが484万人(同28万人増)、契約が280万人(同3万人減)、派遣が148万人(同12万人減)、嘱託が106万人(同3万人増)となり、パートの増加が続いている。
一方、7月の休業者は197万人で前月比34万人増、前年同月比61万人減となり、6月から2カ月連続で数が増えている。