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2023年8月25日

女性の賃金は男性の7割、女性管理職1割未満 3月期決算の上場企業、東商リサーチ

 東京商工リサーチが25日発表した上場企業の「正規労働者の男女賃金差異」調査によると、3月期決算2456社のうち、「正規雇用の男女賃金差異」を記載した1677社の平均差異は71.7%だった。また、「女性管理職比率」を記載した1706社の平均は9.4%で1割にも満たなかった。

 賃金差異の内訳は「70%以上~75%未満」が23.5%で最も多く、「75%以上~80%未満」が21.8%、「65%以上~70%未満」が18.3%など。いずれの企業も、「入社年次や職位・業務が同じ場合、男女の差異はない」と答えている。産業別で最も差異の大きい産業は「金融・保険業」の63.6%で、最も小さい産業は「運輸・情報通信業」の75.0%だった。

 一方、女性管理職比率の内訳は「5%以上~10%未満」が388社(構成比22.7%)で最も多く、「10%以上15%未満」が210社(同12.3%)、「2%以上~3%未満」が188社(同11.0%)の順。政府目標の「30%」をクリアしている企業は73社(同4.2%)にとどまっている。また、「ゼロ」の企業も76社(同4.4%)あった。産業別で最も高いのは「サービス業」の19.8%、最も低いのは「建設業」の3.2%だった。

 女性活躍推進法などの改正に基づき、3月期決算の上場企業は今年から男女賃金差異、女性管理職比率などを有価証券報告書などに記載することが義務化された。


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