厚生労働省が22日発表した2022年雇用動向調査によると、年間の入職者数は779万8000人、離職者は765万6700人となり、入職者が離職者を約14万1300人上回った。年初の常用労働者数に対する割合は入職率が15.2%(前年比1.2ポイント増)、離職率が15.0%(同1.1ポイント増)といずれも増えたが、0.2ポイントの入職超過となり、前年の0.1ポイントを上回った。
人手不足が顕在化した13年から毎年、入職率が離職率を上回っていたが、20年は新型コロナの感染拡大で入職者が激減したため、離職率が入職率を0.3ポイント上回る離職超過となった。しかし、企業の人手不足を反映して21年から2年連続で入職超過となった。
就業形態別では、正社員が中心の一般労働者は入職率11.8%(同0.9ポイント増)、離職率11.9%(同0.8ポイント増)で、0.1ポイントの離職超過。パートタイム労働者は入職率24.2%(同2.2ポイント増)、離職率23.1%(同1.8ポイント増)で、1.1ポイントの入職超過となり、前年の0.7ポイントを大きく上回った。
産業別では、宿泊・飲食サービス業が入職率34.6%、離職率26.8%でどちらも最も高く、7.8ポイントの入職超過。生活関連サービス業も各23.2%、18.7%で4.5ポイントの入職超過となった。両産業ともコロナからの回復が遅れ、人手の確保に追われている様子がうかがえる。
調査は年2回、5人以上の常用労働者のいる1万5120事業所を対象に実施し、上半期(1~6月)は9029事業所、下半期(7~12月)は8452事業所から有効回答を得た。平均有効回答率は57.8%。