経団連が10日発表した今年の春闘の中小企業妥結結果(最終集計)によると、367社の加重平均で月額8012円(賃上げ率3.00%増)となり、前年の5036円(同1.92%増)から大幅に金額、率とも上回った。しかし、昨年来の物価上昇をカバーできる水準とは言えないうえ、大手136社の1万3362円(同3.99%増)に金額、率とも及ばず、大手との格差はさらに拡大する見通しだ。
このうち、製造業229社では8659円(同3.19%増)となり、前年の5312円(同1.99%増)を大きく上回った。非製造業138社でも6924円(同2.65%増)と、前年の4571円(同1.80%増)を上回ったが、製造業より伸びは小さかった。
賃上げ額の最も高い業種は昨年と同様に非製造業の土木・建設14社の9108円(同3.42%増)、製造業では鉄鋼・非鉄金属18社の9023円(同3.37%増)だった。運輸・通信33社の5857円(同2.26%増)が最も低かった。製造業では11業種のうち5業種で3%台だったが、非製造業では6業種のうち3%台は土木・建設だけで、中小の賃上げは製造業が"主導"する形となった。
企業規模別では従業員300~500人未満の79社が8535円(同3.11%)、同100人未満の120社が7582円(同3.01%)と3%台に乗せたものの、同100~300人未満の168社では7576円(同2.88%)にとどまり、最大ボリュームの企業群の"低調"ぶりが目立った。
調査は従業員500人未満の17業種754社を対象に実施、そのうち妥結額などが判明した367社について集計した。