厚生労働省が31日発表した「2022年度雇用均等基本調査」によると、昨年10月時点で過去1年間に育児休業を取得した人の割合は女性が80.2%(前年度比4.9ポイント減)、男性は17.13%(同3.16ポイント増)となった。女性は05年の72.3%以来の低さで、男性は10年連続の上昇で過去最高を更新したが、政府が6月に決定した「こども未来戦略方針」で掲げている「25年までに50%」には遠く及ばない。女性はコロナ明けの経済回復や男性の育休増加で、取得率を下げたと推定される。
有期契約(非正規)労働者に限定すると、取得率はさらに低く、女性は65.5%(同3.1ポイント減)、男性も8.57%(同5.64ポイント減)と、男女とも取得率を下げたうえ、正規労働者に比べても依然としてかなり開きがある。
一方、管理職に占める女性の比率では、従業員10人以上の企業で「役員を含む課長相当職以上」が12.7%(同0.4ポイント増)、「係長相当職以上」が14.7%(同0.2ポイント増)となり、わずかながら増え続けている。ただ、産業別にみると、「医療・福祉」がダントツに高いなど、女性の多い産業に限定されている傾向に大きな変化はなかった。
調査は常用労働者10人以上の3096企業、同5人以上の3339事業所の回答を集計した。