厚生労働省が27日発表した2022年「賃金不払いが疑われる事業場に対する監督指導結果」によると、全国の労働基準監督署が扱った年間件数は2万531件、対象労働者数は17万9643人、金額は121億2316万円に上ることがわかった。このうち、労基署の指導によって22年中に賃金を支払ったのは各1万9708件、17万5893人、79億4597万円だった。件数や労働者数は9割を超えたが、金額は7割未満となっている。
業種別の件数と労働者数では「商業」が4476件(全体に占める比率は22%)・4万1907人(同23%)、「製造業」が4168件(同20%)・3万6661人(同20%)の順。しかし、金額になると最も多いのは「製造業」の37.2億円(同31%)、「保健衛生業」の16.2億円(同13%)だった。
この調査は昨年まで、支払額が1企業あたり100万円以上の割増賃金の不払い事案に限定していたが、今回から割増賃金を含む全賃金、100万以下を含む全金額に対象範囲を拡大した。100万円以上に限ると、22年は1335件、6万1958人、96億4398万円になる。