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2023年7月10日

「基本方針」の見直し開始、年内告示へ 改正法成立を受け、難病・小慢合同委

 厚生労働省の難病対策委員会と小児慢性特定疾病(小慢)対策委員会の合同委員会(委員長、花島律子・鳥取大学教授)が10日開かれ、難病法と小慢法に関わる基本方針の見直しに着手した。秋までに議論を集約し、年内の告示を目指す。

 難病法と小慢法は昨年暮れに改正法が成立し、来年4月に全面施行される。両法では基本方針についても5年後の見直しを規定しているが、コロナ禍などで法改正が遅れたあおりで、基本方針も遅れてこの時期の見直しになった。

 難病法では医療提供体制や調査・研究事項など、現行では9項目の基本方針を規定。小慢法も自立支援や成人移行など8項目を規定している。改正法では医療費助成の開始時期の前倒し、「登録者証」の発行や患者データベースの構築などを盛り込んだが、基本方針もこれに合わせた見直しになる。

 厚労省がこの日示した改定案では、移行期医療支援体制の構築に関するガイドラインの策定、データベースの提供先の規定、難病相談支援センターの他機関との連携強化などを挙げた。また、データベースの提供先の拡大について、有識者会議を設置してガイドラインを策定することについて了解を得た。

 出席委員からは「データベースの拡充は、成果を患者にフィードバックできる制度に」「データベースは軽症者も含めた登録がないと精度は高まらない」などの意見が出た。また、「小慢法では対象の小児がんが難病法でははずれるなど、移行期医療には課題が多く、両制度を統合すべきだ」「医療のみならず福祉なども含めた全人的な支援が必要」という移行期への注文、「遺伝子診断の実施にあたっては、患者家族の立場に立った遺伝カウンセリングとセットにすべきだ」などの意見も相次いだ。

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