厚生労働省が7日発表した毎月勤労統計の5月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は28万3868円(前年同月比2.5%増)で17カ月連続のプラスとなった。しかし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100)は84.2(同1.2%減)で、14カ月連続のマイナスとなった。
マイナス幅は、最も大きかった1月の同4.1%に次いで、4月も同3.2%だった。今春闘で大幅賃上げを実施する企業が相次いだことから、5月はマイナス幅が縮小した。しかし、波状的な物価上昇に賃金上昇はまだ追い付いておらず、プラス転換の時期が焦点となっている。
基本給など所定内給与は25万2132円(同1.8%増)で、残業代などの所定外給与は1万8371円(同0.4%増)。雇用形態別では、正社員が中心の一般労働者は36万8417円(同3.0%増)、パートタイム労働者は10万2303円(同3.6%増)だった。
産業別で伸びたのは「金融・保険業」の51万4103円(同19.6%増)と「複合サービス業」の34万4705円(同16.8%増)の二つが目立った一方、「鉱業・採石業」は35万7094円(同3.4%減)、「卸・小売業」も24万9567円(同0.2%減)のマイナス。全16産業のうち14産業でプラスとなった。
月間総実労働時間は133.5時間(同1.9%増)で、再び増加。月末の常用労働者数は5202.2万人(同1.8%増)で、パートタイム比率は31.84%(同0.65ポイント増)だった。