厚生労働省は30日、2022年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」を発表した。それによると、総合件数は124万8368件(前年度比0.5%増)の微増。そのうち民事上の個別紛争相談は27万2185件(同4.2%減)に減った一方、労働基準法違反が疑われる件数は18万8515件(同10.8%増)と大きく増えた。
近年の総合件数は20年度に約129万件の過去最高を記録して以来、21年度は約124万件、22年度も125万件と"高止まり"が続いている。このうち、民事上の相談件数はほぼ一貫して増加が続き、21年度は約28万件の過去最高となったが、22年度は少し下がった。
民事上の相談件数(延べ31万6815件)のうち、最も多かったのは「いじめ・嫌がらせ」の6万9932件(同18.7%減)で、次いで「自己都合退職」の4万2694件(同5.4%増)、「解雇」の3万1872件(同4.0%減)と例年と同じ傾向だった。
「いじめ・嫌がらせ」の件数減少は昨年4月に「パワハラ防止法」が施行され、22年度からパワハラ関連の相談を除いたため。同法に基づく相談件数は5万840件、紛争解決の援助申し立て件数は1409件、調停申請受理件数は368件だった。