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2023年6月30日

大幅増続く医療・福祉の精神障害 厚労省の22年度労災補償

 厚生労働省が30日発表した2022年度「過労死等の労災補償状況」によると、労災請求件数は3486件(前年度比387件増)で、うち支給決定件数は904件(同103件増)と大幅に増えた。ただ、904件のうち死亡・自殺件数は121件(同15件減)に減少した。

 労災のうち、脳・心臓疾患の請求件数は803件(同50件増)で、そのうち業務上と認定した支給決定件数は194件(同22件増)となり、認定率は38.1%(同5.3ポイント増)となった。

 このうち死亡事故は請求件数が218件(同45件増)に増え、決定件数は139件(同30件減)、支給決定件数は54件(同3件減)となり、認定率は38.8%(同5.1ポイント増)となった。

 精神障害の労災補償は請求件数が2683件(同337件増)、決定件数が1986件(同33件増)、支給決定件数が710件(同81件増)と大きく増え、認定率も35.8%(同3.6ポイント増)に上昇した。

 請求件数、決定件数とも前年度より大きく増え、理由は「上司とのトラブル」「上司らのパワハラ」など対人関係が依然として多数を占めている。業種では前年と同様に「医療・福祉」の「社会保険、社会福祉、介護事業」が請求件数327件で最も多く、業界の体質改善が急務となっている。

 このうち、自殺(未遂を含む)は請求件数が183件(同12件増)、決定件数が155件(同12件減)、支給決定件数が67件(同12件減)、認定率は43.2%(同4.1ポイント減)となった。

 一方、これらのうち、裁量労働制下の就労者の労災は決定件数が脳・心臓疾患で5件、精神障害で14件。うち支給決定件数は各3件、8件だった。


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