厚生労働省が30日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント低下の1.31倍となった。求人倍率は企業の人手不足対策と求職者数の減少により、22年12月の1.36倍まで14カ月連続の上昇を続けてきたが、今年になって一部業種に求人数の減少傾向も出てきたことなどから、1月から横ばいをはさんで5カ月連続で少しずつ低下している。
企業側の有効求人数約244万人(前年同月比1.4%増)に対して、有効求職者数は約202万人(同3.0%減)となり、昨年8月以来の求職者数の減少傾向が続いている。都道府県別(就業地別)では福井県の1.96倍が最高で、最低は神奈川県の1.11倍。
新規求人倍率は前月比0.13ポイント上昇の2.36倍だった。新規求人数(原数値)は前年同月比3.8%と再び増え、産業別では宿泊・飲食サービス業が同13.5%増、教育・学習支援業が同12.0%増、その他サービス業が同5.7%増など。一方、製造業は同5.4%減、建設業は同0.8%減となり、その他を含む全11産業のうち、この2産業だけ減少した。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1.03倍だった。
5月完全失業率は横ばいの2.6%、パートの減少続く
総務省が30日発表した5月の就業者数は6745万人で、前年同月比15万人増と10カ月連続の増加。完全失業者は188万人と同3万人の減少で、3カ月ぶりに減った。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月と同じ2.6%となった。今年も前年と同じ2.6%前後の水準で推移している。男女別では男性が前月と同じ2.7%、女性も同じ2.4%だった。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5728万人のうち、正規従業員は3655万人で前年同月比29万人の増加、非正規従業員は2074万人で同3万人の減少。非正規比率は36.2%となった。
非正規の内訳はパートが994万人(同12万人減)、アルバイトが450万人(同10万人増)、契約が271万人(同11万人減)、派遣が159万人(同4万人増)、嘱託が113万人(同1万人減)となり、パートの減少が続いている。
一方、5月の休業者は148万人で前月比18万人減、前年同月比16万人減と2カ月連続で減少した。