東京商工リサーチが29日発表した「コロナ禍の雇用調整助成金(雇調金)不正受給」によると、雇調金の特例措置が実施された(2020年4月~23年3月)の期間に虚偽申請などで不正受給した件数は1524件に上り、そのうち企業名などが公表されたのは519件(516社)、不正受給額は約163億2020万円に上ることがわかった。その他サービス業が4割ほどを占めた。
不正受給の内訳は「雇調金」が286件、「緊急雇用安定助成金」が80件、両方が153件。個人企業を除いた382社を産業別にみると、コロナの影響を強く受けた「その他サービス業」が最多の161社で、「建設業」が47社、「製造業」が40社と続いた。不正受給額が100万円を超えるなど、悪質な場合は社名などが公表される。
一方、雇調金の支給を受けた上場企業は3930社のうち2割強の869社、支給累計額は9427億4580万円に上った。航空、鉄道などの運輸関連企業が中心。うち、3社が不正受給したことが判明している。