5月に東京都内で開催された「フリーランス全国サミット2023」を受けて、全国8カ所で「地域サミット」が開かれている。18日は宮城県仙台市を会場に東北版が開催され、中里浩東京経済大学教授の講演や東北でフリーランスとして働くライター、俳優、ピアニストらが参画したディスカッションを展開。青森、秋田、岩手、福島、山形の東北5県の会場とオンラインで結んで発信、共有した=写真。サミットの結びは、東北にゆかりのあるミュージシャンによるトルコ・シリア地震チャリティライブで締めくくった。
フリーランスの抱える実態・課題をつかんで多角的に議論する「フリーランスサミット」は、フリーランスの各業界団体や個人、労組員、有識者らで構成する実行委員会の主催。フリーランス新法やインボイス制度導入などフリーランスを取り巻く環境が変わる中、フリーランスの課題に向き合い、産学官のさまざまな知見を集めてこれからのあり方を探るのが狙い。アドバンスニュースなど協賛、厚生労働省などが後援している。
この日は第一部として、公正取引委員会で25年以上の審査経験を持つ中里教授が「フリーランスと雇用労働者の違いとフリーランス保護法の意義」をテーマに、新法の背景と留意点をやさしく解説。契約書の重要性や地方における行政の相談窓口の必要性などを強調した。来場者からは積極的に質問が挙がり、関心の高さがうかがえた。
続いて第二部では、「東北のフリーランス・クリエイター集まれ!インボイス制度をしっかり学ぶ!」と題するディスカッションが開かれた。前半はインボイス制度について高橋創税理士が現場感覚での要所と最新動向を説明し、「登録する場合と登録しない場合のデメリット」をわかりやすく伝授。後半は中里教授とフリーランスとして働く4人が加わって、インボイスを巡る悩みや課題を生の声を交えながら対応策を考え、理解を深めた。
会場では、参加者同士による名刺交換会が開かれ、異業種のフリーランス同士が交流を深めたほか、第二部に加わったミュージシャンたちがチャリティライブで軽快な演奏を披露した。
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