厚生労働省が23日発表した2022年度毎月勤労統計調査(従業員5人以上)によると、月平均の現金給与総額は32万6308円(前年度比1.9%増)となり、2年連続で前年を上回った。このうち、正社員が中心の一般労働者は43万392円(同2.3%増)、パートタイム労働者は10万2791円(同2.8%増)とどちらも上回った。しかし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100)は98.8(同1.8%減)と2年ぶりのマイナスとなり、物価急上昇の影響でマイナス幅も過去8年の最大を記録した。
名目給与のプラス要因は、基本給にあたる所定内給与が24万8963円(同1.1%増)だったものの、ボーナスなどの特別給与が5万8370円(同4.5%増)、残業代などの所定外給与が1万8975円(同4.1%増)に伸びたこと。
月間実労働時間は136.4時間(同0.4%増)と2年連続で増加。期末の常用雇用者数は5156.0万人(同1.2%増)で、パートタイム比率も31.80%(同0.49ポイント増)と2年連続で上昇した。
産業別で最も高かったのは前年と同様に「電気・ガス」の56万544円(同1.7%減)で、次いで「情報通信」の49万8076円(同2.1%増)、「学術研究等」の48万8341円(同3.2%増)、「金融・保険」の48万3761円(同1.1%増)など。コロナの直撃を受けた「飲食サービス」は前年と同じ最低ながら13万669円(同8.9%増)に大きく伸びた。「生活関連サービス」も21万6923円(同4.1%増)に伸びた。16産業のうち、「電気・ガス」以外はプラスだった。
一方、パートの時給(所定内給与)は1248円(同1.6%増)で、調査開始の11年度以来11年連続で上昇を続け、過去最高となった。