ニュース記事一覧へ

2023年5月23日

昨年の労災死傷者、20年ぶり高水準 コロナ関連も激増、厚労省調査

 厚生労働省が23日発表した2022年の労働災害発生状況によると、死者数は774人(前年比4人、0.5%減)とわずかに減少し、過去最少となった。しかし、休業4日以上の死傷者数は13万2355人(同1769人、1.4%増)に増えた。死者数は17年の978人から5年連続の減少。死傷者は01年の13万3598人以来の最多を記録した。

 いずれも新型コロナへの罹患によるものを除いており、コロナ罹患による死者は17人(前年比72人減)に減ったが、死傷者は15万5989人と8倍に増えた。医療保健、福祉施設で9割近くを占める。

 死者で最も多かった業種は例年と同様に建設業の281人(同3人増)で、製造業の140人(同9人増)が続いた。死傷者では製造業が2万6694人(同270人増)で最も多く、商業が2万1702人(同264人増)で続いた。接客・娯楽が9140人(同903人増)と突出した増加ぶりだった。

 事故の類型別でみると、死者は「墜落、転落」が234人、「交通事故」が129人、「はさまれ、巻き込まれ」が115人の順。死傷者では「転倒」の3万5295人が最も多く、「動作の反動、無理な動作」の2万879人、「墜落・転落」の2万620人の順。

 死傷者を年齢別(5歳刻み)にみると、最も多いのは「50~54歳」の1万7196人と「55~59歳」の1万6921人で、50代だけで26%を占めている。

 一方、派遣労働者の死者は14人(同1人増)と2ケタが続き、死傷者も6248人(同544人増)に増え、製造業が最多を占めている。また、外国人労働者の死者は15人、死傷者は4808人(同231人増)に増えた。国別ではベトナムが1319人と突出して多く、業種は製造業が2466人の過半数を占めた。

【関連記事】
昨年の労災死者、死傷者とも急増
コロナ関連が大幅増加、厚労省(2022年5月30日)

PAGETOP