厚生労働省が9日発表した毎月勤労統計の3月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は29万1081円(前年同月比0.8%増)で15カ月連続のプラスとなった。物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100)は86.9(同2.9%減)で12カ月連続のマイナス。2月に続き、政府による負担軽減策などで1月の同4.1%減より下げ幅はやや縮小して推移している。ただ、今春闘で大幅賃上げを実施する企業が相次いだことから、4月以降はプラス転換する可能性も出ている。
基本給など所定内給与は24万9686円(同0.5%増)で、残業代などの所定外給与も1万9321円(同1.1%増)。雇用形態別では、正社員が中心の一般労働者は38万82円(同1.3%増)、パートタイム労働者は10万1038円(同2.19%増)だった。
産業別で伸びが目立ったのは、2月と同様に「運輸・郵便」の33万2780円(同6.3%増)が最高で、「不動産・物品賃貸業」も35万1592円(同5.5%増)と、13産業でプラスとなった。一方、「建設業」の39万1386円(同2.0%減)など、3産業はマイナスとなった。
月間総実労働時間は137.5時間(同0.6%増)で、2カ月連続で増加。月末の常用労働者数は5143.5万人(同1.8%増)で、パートタイム比率は31.86%(同0.54ポイント増)だった。