厚生労働省が31日発表した2021年度「職業紹介事業報告」(速報、2万7569事業所)によると、民営の新規求職申し込み件数は約1974万件(前年度比13.8%増)、常用求人数は約1030万人(同19.1%増)、就職件数は約75万件(同16.7%増)となった。いずれもコロナ禍で11年ぶりの減少となった20年度から急回復し、コロナ前の水準にほぼ戻った。手数料収入も約6315億円(同20.5%増)で、19年度の約5874億円を上回った。
有料紹介による常用労働者の就職件数を職業別にみると、最大の「一般事務」が6万5902件(同15.5%増)となったのをはじめ、「営業」が6万480件(同23.8%増)、「看護師」が5万7305件(同16.3%増)、「介護サービス」が5万6939件(同4.6%増)などで大きく増えた。感染状況をにらみながら業務再開にこぎつけた企業が多かったのと、コロナ対策に必要な医療・介護関連職の採用が多かった。
また、臨時日雇い延べ就職件数も前年度の大幅落ち込みから急反転し、約1403万件(同47.9%増)に増えたが、コロナ前の1700万~1800万件には届かなかった。