厚生労働省が31日発表した2月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント低下の1.34倍となった。求人倍率は2020年11月の1.04倍を底に上昇に向かい、途中、3回の横ばいを経て上昇基調を維持。21年10月の1.15倍以降、22年12月の1.36倍まで14カ月連続の上昇を続けてきたが、年明け1、2月と2カ月連続で低下している。
企業側の有効求人数約262万人(前年同月比7.0%増)に対して、有効求職者数は約186万人(同3.2%減)となり、昨年8月以来、求職者数の減少が続いているものの、前月比では求職者の伸びが求人の伸びを上回ったため、求人倍率は下がった。都道府県別(就業地別)では福井県の1.91倍が最高で、最低は神奈川の1.10倍。
新規求人倍率は前月比0.06ポイント減の2.32倍だった。新規求人数(原数値)は前年同月比10.4%増で、産業別では宿泊・飲食サービス業が同37.2%増、教育・学習支援業が同23.7%増、卸・小売業が同11.1%増、医療・福祉が同10.3%増などと高く、その他を含む全11産業で増えている。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント減の1.02倍となった。
2月完全失業率は2.6%、4カ月ぶり上昇
総務省が31日発表した2月の就業者数は6667万人で、前年同月比9万人増と7カ月連続の増加。完全失業者は174万人と同6万人の減少で、20カ月連続の減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.2ポイント低下の2.6%となった。昨年9、10月と2.6%だったが、11、12月2.5%に低下し、1月はさらに2.4%まで下がったが、2月は4カ月ぶりに上昇に転じた。男女別では男性が前月比0.3ポイント上昇の2.9%、女性も0.1ポイント上昇の2.3%。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5670万人のうち、正規従業員は3568万人で前年同月比9万人の減少、非正規従業員は2102万人で同29万人の増加。非正規の増加傾向が続いており、非正規比率は37.1%の高水準となっている。
非正規の内訳はパートが1033万人(同32万人増)、アルバイトが419万人(同31万人減)、契約が296万人(同10万人増)、派遣が154万人(同18万人増)、嘱託が116万人(同2万人減)となり、パートと派遣の伸びが目立つ。
一方、2月の休業者は205万人で前月比14万人減、前年同月比37万人減となり、2カ月連続で減少。人手不足の拡大と、4月からの雇用調整助成金の特例運用廃止を前に減少傾向が続いている。