帝国データバンクが２０日発表した２０２３年度「雇用動向に関する企業調査」によると、２３年度に正社員の採用予定のある企業は６３．０％（前年比０．８ポイント増）で、そのうち「増やす」予定のある企業は２５．７％（同０．２ポイント増）に上った。コロナ期間中の２０％程度から２年連続で上昇しており、１５年度当時の水準に戻っている。
採用予定のある企業を主要業種別にみると、「医療、福祉、保健衛生」が８２．８％で最も高く、「旅館、ホテル」が７９．３％、「輸送用機械・器具製造」が７６．８％で続いている。「人材派遣・紹介」も７０．５％に上り、そのうち「増やす」企業が４２．３％とダントツの高さ。人手不足を背景にしたサービス業の深刻な不足ぶりがうかがわれる。
一方、非正規社員については採用予定のある企業は４７．３％（同１．０ポイント増）で、そのうち「増やす」企業は１３．４％（同０．９ポイント増）でコロナ前の１９年度の１３．０％を上回っている。
非正規の場合も、採用予定のある企業は「飲食店」が９１．４％に達し、「旅館、ホテル」が８０．５％、「飲食料品小売り」が７５．３％で続き、個人消費関連の業種で比率が高い。これらの業種は「コロナ明け」となったものの、人手が戻ってこない実態を反映している。今年は人手確保に向けた賃金アップの競争も激しくなりそうだ。
調査は２月１４～２８日に実施、全国２万７６０７社を対象にして３７．０％にあたる１万２０３社から有効回答を得た。
