東京商工リサーチが8日発表した「上場大手居酒屋チェーン運営の店舗数調査」によると、上場16社の昨年末時点の店舗数は5334店舗で、1年前より352店舗(6.1%)減っていることがわかった。対コロナの行動制限緩和などで回復の兆しがみえているものの、依然として減少傾向が続いている。
1年前も390店舗(6.4%)減少しており、コロナ前の19年末の6661店舗からは1327店舗(19.9%)も減ったことになる。同社は「感染の波は一服の兆しがあるものの、顧客の行動様式はコロナ前に戻りにくくなっている」として、当面、店舗削減が続くとみている。
コロナ前から最も店舗を減らしたのは居酒屋「金の蔵」などを運営するSANKO MARKETING FOODSの55.5%減(108店→48店)。次いで居酒屋「庄や」を運営する大庄の43.7%減(487店→274店)、ダイニングバーなどを展開するDDHDの43.6%減(435店→245店)など。一方で、串カツ田中HDでは16.1%増(273店→317店)とするなど、増やす企業も出始めた。
「コロナ明け」という好材料はあるものの、物価上昇や人手不足など業界を取り巻く環境は予断を許さないことから、今後も不採算店舗の見直しやコストアップへの対応に追われそうだ。