厚生労働省が3日発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント低下の1.35倍となった。求人倍率は2020年10月の1.04倍を底に上昇に向かい、途中、3回の横ばいを経て上昇基調を維持。21年10月の1.15倍以降、22年12月の1.36倍まで14カ月連続の上昇を続けてきたが、12月で倍率がピークアウトした可能性もある。
企業側の有効求人数約256万人(前年同月比6.4%増)に対して、有効求職者数は約178万人(同5.8%減)となり、昨年8月から求職者数の減少が続いているものの、この1月は求職者の伸びが求人の伸びを上回ったため、求人倍率は少し下がった。都道府県別(就業地別)では福井県の2.00倍が最高で、最低は神奈川の1.09倍。昨年8月以降、全都道府県で1倍を超えている。
新規求人倍率は前月と同じ2.38倍だった。新規求人数(原数値)は前年同月比4.2%増で、産業別では宿泊・飲食サービス業が同27.0%増でダントツに増え、運輸・郵便業が同4.0%増など。一方、情報通信業は同7.3%減、建設業が同5.4%減、製造業も同4.0%減と減少傾向が続いている。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント減の1.03倍となった。
1月完全失業率、2.4%へさらに低下
総務省が3日発表した1月の就業者数は6689万人で、前年同月比43万人増と6カ月連続の増加。完全失業者は164万人と同21万人の減少で、19カ月連続の減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の2.4%となった。昨年9、10月と2.6%だったが、11、12月2.5%に低下し、1月はさらに下がった。2.4%は20年2月以来の水準で、「コロナ前」に回復した。男女別では男性が前月比0.1ポイント低下の2.6%、女性は横ばいの2.2%。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5705万人のうち、正規従業員は3572万人で前年同月比18万人の増加、非正規従業員も2133万人で同66万人の増加となり、非正規の増加傾向が再び強まっている。非正規率も37.4%の高水準が続いている。
非正規の内訳はパートが1049万人(同42万人増)、アルバイトが446万人(同4万人減)、契約が287万人(同9万人増)、派遣が145万人(同8万人増)、嘱託が117万人(同6万人増)となり、前月と同様にパートの伸びが目立っている。
一方、1月の休業者は219万人で前月比13万人減、前年同月比30万人減となり、昨年10月以降、3カ月連続で続いていた増加からようやく減少に転じた。人手不足の拡大に加え、4月から雇用調整助成金の特例運用が廃止されることから、今後はさらに縮小する可能性がある。