厚生労働省が7日発表した毎月勤労統計の昨年12月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は57万2008円(前年同月比4.8%増)で12カ月連続のプラスとなった。物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100)も171.3(同0.1%増)で、9カ月ぶりのプラスとなった。
基本給などは26万9740円(同1.9%増)だったが、冬のボーナスの特別給与が30万2268円(同7.6%)と大きく伸びた。雇用形態別では、正社員が中心の一般労働者は78万6024円(同5.0%増)、パートタイム労働者も11万4941円(同2.6%増)だった。
産業別で伸びが高かったのは「運輸・郵便」の65万1403円(同16.7%増)、「生活関連サービス」の29万336円(同11.8%増)。逆に「電気・ガス」は109万7675円(同3.6%減)で支給額は最高だったがマイナス。「複合サービス」も73万1326円(同2.8%減)のマイナスとなった。
月間総実労働時間は137.5時間(同0.6%減)で、3カ月連続の減少。月末の常用労働者数は5181.2万人(同1.2%増)で、パートタイム比率は31.98%(同0.04ポイント増)だった。
この結果、2022年の年間平均(速報)では現金給与総額が32万6157円(前年比2.1%増)で2年連続のプラスとなった。14年から5年連続でプラスを維持してきたが、19年からマイナスに転じ、20年はコロナ禍で2年連続のマイナスに。21年は景気回復で同0.3%増のプラスに転じ、22年も同2.1%増となった。
基本給は26万7536円(同1.5%増)、所定外給与も1万8933円(同5.0%増)と復調が続いた。うち、一般労働者が42万9449円(同2.3%増)、パート労働者も10万2073円(同2.6%増)のプラスだった。
月間実労働時間は136.2時間(同0.1%増)、常用雇用者数は5134.2万人(同0.9%増)となり、パート比率は31.57%(同0.29ポイント増)の増加だった。
しかし、実質賃金指数は99.7(同0.9%減)となり、前年の同0.6%増から再びマイナスに。エネルギー、食品などの物価上昇に追い付かなかった。