パーソルキャリアが5日発表した今年上半期の「転職市場予測」によると、新型コロナからの企業業績の回復を背景に求人が増え、転職市場は活性化する見通しだ。コロナで採用を中止していた企業が採用を再開し始めたことから、求人数はコロナ前の水準に回復しており、IT・通信業界など全14分野で求人増の動きがみられる、としている。
同社のdoda転職求人倍率は昨年11月時点で2.23倍の過去最高を記録しているが、求人数の増加に対して求職者数は横ばい傾向にあり、倍率の上昇に拍車を掛けている。とりわけ、新卒採用が厳しいため、第二新卒などの若手人材を採用する動きも目立っており、同社は「未経験での転職も見込める職種がある」と予想している。
一方、リクルートが同日発表した「2023年転職市場の展望」でも、リクルートエージェントの求人数は全15職種でコロナ前の水準を超える過去最高を更新しており、「人材獲得競争の過熱が続く」と予想している。これに対して、求職者側からは働く場所・時間の制約をできるだけ受けたくないとの声が多く、条件が多様化していることから、同社は「採用ターゲットの明確化と体制の深化が人材獲得のカギ」としている。