労働政策審議会の第187回労働条件分科会(荒木尚志分科会長)は27日、「今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について」と題する報告書を出し、その中で金融機関の一部職種について裁量労働制の適用拡大を盛り込んだ。厚生労働省は報告書を受けて省令改正作業に入り、早ければ24年にも実施したい意向だ。
同報告書は、銀行や証券会社で企業合併・買収(M&A)や事業承継を助言する「M&Aアドバイザー」について「専門型の対象とすることが適当」と判断。同時に「本人同意を得ることや、同意しなかった場合の不利益な取り扱いをしない」ことなどを規定した。
新型コロナに伴う不況で事業再編が加速し、M&Aアドバイザーの需要が高まっていることから、使用者側の経団連は「銀行や証券会社で企業の調査・分析やM&Aの戦略作り、提案をする業務」として適用拡大を要望していた。しかし、対象業務のなし崩し的な拡大を警戒する連合など労働者側は「追加は遺憾」と反発している。
裁量労働制の対象には「企画型」と「専門型」の2種類があり、対象業務の追加には企画型は法改正が必要だが、専門型は省令改正で対応できる。M&Aアドバイザーは専門型とされ、これまで新聞記者など19業務が対象となっていた。
裁量労働制の対象拡大は...
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