厚生労働省が29日発表した10月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.35倍となった。1月から10カ月連続の上昇で、昨年5月以降、2度の横ばいをはさんで18カ月連続の上昇基調が続いている。上昇局面としては2016年半ばの水準に並んだ。
企業側の有効求人数約255万人(前年同月比11.7%増)に対して、有効求職者数は約189万人(同3.3%減)となり、8、9月と同様に求職者数の減少が求人倍率を高めている。都道府県別(就業地別)では福井県の2.04倍が最高で、最低は神奈川県の1.08倍と全都道府県で1倍を超えた。
新規求人倍率は2.33倍で前月比0.06ポイントの上昇。新規求人数(原数値)は前年同月比7.9%増で、産業別では宿泊・飲食サービス業が同29.3%増、卸売・小売業が同11.7%増、生活関連サービス・娯楽業が同11.3%増となり、対コロナの行動制限緩和や全国旅行支援による観光需要などをにらんだ業種の求人増が顕著だ。一方、教育・学習支援業は同1.9%減、建設業は同0.7%減だった。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1.03倍となった。
10月完全失業率、2.6%の横ばい
総務省が29日発表した10月の就業者数は6755万人で、前年同月比50万人増と3カ月連続の増加。完全失業者は178万人と同6万人の減少で、16カ月連続の減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月と同じ2.6%となった。男女別では男性が前月と同じ2.8%、女性が同0.1ポイント低下の2.3%だった。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5730万人のうち、正規従業員は3614万人で前年同月比17万人増加、非正規従業員も2116万人で同34万人の増加となった。非正規率は36.9%で前月より0.4ポイント下がった。
非正規の内訳はパートが1029万人(同1万人増)、アルバイトが451万人(同18万人増)、契約が288万人(同7万人増)、派遣が145万人(同)、嘱託が117万人(同2万人増)と全形態で増えた。
一方、10月の休業者は174万人で前月比20万人減、前年同月比8万人増と減少傾向が続いている。