厚生労働省は28日、2019年3月に卒業して就職した学生の3年以内の離職状況を発表した。それによると、大卒の離職率は31.5%(前年比0.3ポイント増)、高卒は35.9%(同1.0ポイント減)、中卒は57.8%(同2.8ポイント増)となった。前年は新型コロナウイルスの感染拡大で転職を控える若者が増えたため、いずれも離職率は低下したが、今年は景気回復を反映して大卒は上昇したとみられる。
大卒の場合、1年目の離職率は11.8%、2年目は9.7%、3年目は10.0%で、3年目の比率が前年より1.7ポイント上昇。高卒の場合は同様に16.3%、10.1%、9.6%で、3年目だけ同1.5ポイント上昇している。
企業規模が小さくなるほど離職率が高くなる傾向は例年と同じで、大卒の場合、従業員1000人以上の大企業が25.3%(同0.6ポイント増)だったのに対して、同5~29人の中小企業では48.8%(同0.6ポイント減)の半数近くにのぼり、同5人未満の零細企業になると55.9%(同0.4ポイント減)となっている。
業種も大体、例年と同様に宿泊・飲食サービス業が49.7%(同1.8ポイント減)で最も高く、生活関連サービス・娯楽業が47.4%(同0.9ポイント増)、教育・学習支援業が45.5%(同0.1ポイント減)など。一方、電気・ガス業は10.6%(同0.5ポイント減)、製造業は18.5%(同0.5ポイント減)と10%台にとどまった。