厚生労働省が28日発表した9月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.34倍となった。1月から9カ月連続の上昇で、昨年5月以降、2度の横ばいをはさんで17カ月連続の上昇基調が続いている。上昇局面としては2016年前半の水準に並んでいる。
企業側の有効求人数約250万人(前年同月比13.6%増)に対して、有効求職者数は約190万人(同1.7%減)となり、8月と同様に求職者数の減少が求人倍率を高めている。都道府県別(就業地別)では福井県の2.12倍が最高で、最低は沖縄県の1.07倍。
新規求人倍率は2.27倍で前月比0.05ポイントの低下。新規求人数(原数値)は前年同月比9.8%増で、産業別では宿泊・飲食サービス業が同29.5%増、生活関連サービス・娯楽業が同22.3%増、卸売・小売業が同12.7%増となるなど、対コロナの行動制限緩和をにらんだサービス業などで求人増の流れが続いている。一方、建設業は同0.8%減、教育・学習支援業は同0.4%減だった。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント増の1.03倍となった。
9月完全失業率、再び2.6%に上昇
総務省が28日発表した9月の就業者数は6766万人で、前年同月比40万人増と2カ月連続の増加。完全失業者は187万人と同7万人の減少で、15カ月連続の減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント上昇の2.6%となった。男女別では男性が2.8%、女性が2.4%で、男女とも前月比0.1ポイント上昇した。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5722万人のうち、正規従業員は3589万人で前年同月より22万人減少、非正規従業員は2133万人で同63万人の増加となった。非正規率は37.3%で前月より0.2ポイント上がった。
非正規の内訳はパートが1035万人(10万人増)、アルバイトが466万人(同27万人増)、契約が289万人(同5万人増)、派遣が149万人(同9万人増)だったが、嘱託は108万人(同2万人減)となった。
一方、9月の休業者は194万人で前月比74万人減、前年同月比16万人減となり、3カ月ぶりに200万人台を下回った。コロナの行動制限緩和が背景にあるとみられるが、11月以降は第8波とインフルエンザの同時流行の懸念が出ていることから、再び増える可能性もある。