連合は20日、中央執行委員会を開き、来年春闘の基本構想を確認した。基本構想では(1)物価上昇によって労働者の生活は苦しくなっており、賃上げへの期待は大きい(2)企業内の格差是正に取り組むと同時に、サプライチェーン全体で付加価値とコスト負担を適正に分かち合い、企業を超えた労働条件の改善に結び付ける(3)各産業の「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組みを強化し、労働者の生活を持続的に維持・向上させる――などの重点項目を挙げた。
そして、春闘では賃上げ(ベースアップ)分を3%とし、定期昇給分の2%と合わせて5%程度の賃上げを目指すこととした。連合はこれまで7年連続で4%程度を目標に掲げてきたが、実現したことはなかった。今回は歴史的な物価上昇を踏まえ、一段と高めの目標を掲げた。
厚生労働省によると、今年の主要企業の春闘賃上げ率は平均2.20%で、前年の1.86%は上回ったものの、今年に入って本格化した物価高騰により、実質賃金は4月から5カ月連続でマイナスとなっている。