リクルートワークス研究所は22日、オンラインシンポジウム「副業のリアル」を開き、先進企業の取り組みぶりを発表してもらい、「エビデンスに基づく副業解禁」の実践について議論した。2部制で、後半は28日に開く。
この日は同研究所研究員の萩原牧子、孫亜文の両氏が兼業・副業に関する労働政策の変化や就業実態パネル調査結果を発表し、弁護士の荒井太一氏が副業をめぐる労働法制上の問題点などを解説した。
実践例として、サイボウズの恩田志保▽新生銀行の天明純一▽ライオンの青木陽奈の3氏がそれぞれの取り組みを披露した。多くの企業はまだ副業解禁に消極的であり、その代表的な理由として本業に支障が出る、労務管理が大変、情報漏洩の懸念、社内手続きが煩雑、解禁のメリットがない、の5点が挙がっている。
これらについて、恩田、天明両氏は「社員の時間外の行動に企業が干渉するのはおかしい」という基本的な考えに基づいて解禁したと説明。希望者は上司に副業の内容などを提出し、上司のOKが出れば実行できるという。青木氏も「解禁による支障は出ていない」と話した。
副業が本業にとってメリットがあるかないかについては、まだ実践者が少ないこともあって、3氏とも「直接的なメリットは目に見える形になっていないが、副業によってモノの見方が広がり、社外人脈の構築などを通じて、会社に貢献できる流れはできつつある」と口をそろえた。